便潜血検査が陽性だった方へ
便潜血検査は大腸がんの発見を目的としたスクリーニング検査です。便の中に微量の血液が混じっているかどうかを検出しています。この検査で陽性だった方は大腸カメラを受ける必要があります。
とはいえ、「陽性=大腸がんがある」、ということではありません。この検査は便に混じるヘモグロビンを検出する検査ですので、例えば痔であっても出血があれば陽性となることがあります。あるいは他の部位からの出血かもしれません。それを確かめるために大腸カメラが必要になります。
便潜血検査では日を変えて2回採便して調べる2日間法が主流です。1回でも陽性が出た場合には大腸カメラによる精密検査が必要です。これはこの検査の精度が低いためです。早期大腸がんの5割、進行した大腸がんでも2割が見逃されて陰性の結果が出てしまうからです。
便潜血検査においては、陽性は「異常がある」という結果であるのに対して、陰性は「今回の検査では反応が見られなかったが、異常がないとはいえない」ということに注意が必要です。したがって、陰性だった方であっても、40歳代後半以降で、身内に大腸がんの方がいらっしゃったり、腹痛や便通異常があったりする方は、念のためカメラ検査をしておくことを強くお勧めします。